フランス語ゼロからのニース生活

2016年に夫と猫とともに、フランス語ゼロで日本からフランスへ移住しました。 2016年末に娘を出産し、現在は育児に奮闘中。 移住に伴うフランスでの手続きごと(移民局、滞在許可証、セキュリテソシアル、運転免許、猫の海外引っ越し)や、南仏を中心に訪れた街や村を紹介しています。

二重国籍者が日本国籍を離脱する方法。

私の夫は日本とフランスの二つの国籍を持っていました。現在、彼は日本国籍を離脱し、フランス国籍のみとなっています。

日本の国籍法上22歳までに国籍選択をしなくてはいけないし、その点では法に準じたのですが、もしあの時、「要件」さえ揃っていれば、今も二重国籍のままでいられたし、日本とフランスのパスポートを持つことだってできたかもしれない、惜しいことをしたな、というのも正直なところ。

なぜなら「やろうと思えばできてしまう」から。

それはともかくとして、以下、彼の日本国籍離脱までのあれこれをまとめました。なお、これは私たちの実経験に基づくものですので、条件が異なれば手順も異なるであろうことを予めご了承ください。

 

 

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観光ビザをキャンセルすることから始めました。 

観光ビザ(90日)で「フランス人」として日本に入国し、「日本国籍判明のため」という理由でこれをキャンセルし、「日本人」として(無期限で)引き続き滞在していた夫。

フランスのパスポートを失ったわけではありませんが、観光ビザキャンセル後のフランス帰国(=日本出国)のためには、日本のパスポートが必要でした(だって日本人だから)。

国籍法に則れば、すでに国籍選択していなければならない年齢に達していた夫。「じゃあ、どっち選ぶ?」と言われれば、そこは迷わずフランス。

日本国籍を捨てるのはとっても惜しいけど、日本は二重国籍を認めていないから、私共々フランスに戻るためには「日本国籍を離脱し、キャンセルしたビザを(なんらかの方法で)復活させて、フランスのパスポートで出国するしかないよね」という結論になりました。

じゃ、日本国籍を捨てに行きましょう、ということで東京法務局国籍係に電話してみました。

 

日本国籍離脱には、まず住民登録がなくてはいけない。

国籍係の担当者に、上記の事情を順を追って説明したところ、以下の書類を持ってきてください、と言われました。

  1. 日本の戸籍謄本
  2. フランスの出生証明書とその日本語訳(自分で翻訳して良い)
  3. フランスのパスポートのコピーと原本
  4. 住民票の写し

1〜3は結婚手続きの関係で用意していたものがあり、すぐ用意できました。しかし、4の住民票・・・。

観光ビザで入国し、その後、私の出国準備が整い次第、数ヶ月で帰国する予定にしていたので、住民登録などしていませんでした(だって税金とか国民健康保険とかお金かかっちゃうし)。

しかし、「住民登録してないんですけど」といった途端、国籍係担当者は「あ、都民じゃないんですか。では、当法務局は管轄ではありません」と淡々と言いました。

つまり、

国籍離脱手続きしたい→管轄の法務局へ→住民登録してない→住民票ない→都民じゃない→だったら東京法務局は関係ない→じゃ、どこでその手続きするの?→東京法務局で手続きしたいなら都民になれ→都内で住民登録が必要

というわけで、新年早々区役所へ出向き、夫の住民登録をしました。

ちなみに、この住民登録、ビザキャンセルした日ではなく、夫が日本に入国した8月日付(単に登録届出が遅滞した)という扱いになりました。そのため、8月から転出した今年2月までの住民税が課されるのでしょう・・・。あーあ。

なお、国民年金と健康保険の加入は「1カ月後には出国するから不要」と主張し、どうにか8月に遡っての加入は見逃してもらいました。

 

東京法務局国籍係訪問は要予約。

必要書類が整ったので、法務局に連絡し予約を入れました。役所なんだから平日だったら自分の都合で好きな時に行ってもいいんでしょ、と思うなかれ。

「部屋が空いていない」という理由で、電話した日から2週間後の予約を取り付けました。国籍離脱申請から受理まで1週間ほどかかると言われており、出国予定に間に合うのか、かなりやきもきし、もっと早くならないか頑張ってみたのですが、あっさりNOの返事でした。混んでるから、というのがその理由でしたが、当日国籍係に行ってみて、私なりにその理由に納得しました(ので、後述)。

 

国籍係の担当者は本人の目を見て話す良い人でした。

予約の日に必要書類を持って千代田区九段下の東京法務局を訪れました。

私たちのように国籍を離脱する人だけでなく、日本国籍を取得しようとする人たちが数人いました。一人一人の細かい事情を勘案して手続きを進めていくようです。なので時間がかかる。途中で証明写真を撮りに中座した訪問者もいました。そりゃ、予約制にするよね、とこの時点で納得しました。

さて、電話でやりとりした担当者が現れ、「本人さんは日本語は話せますか?(日常会話程度であれば)では本人さん(夫)だけ、一緒に来てください」と言い、夫だけ個室へ連れて行かれました。

10分くらい経った後、夫が私を呼びに来ました。そして、担当者がここまでに夫と話したことを説明してくれました。

  • 一度日本国籍を離脱すれば、再取得には非常にいろいろな手続きが必要になるが、それを了解するか。
  • 今日書類を受理すれば、「やっぱりやめます」ということは認められない。
  • 本当に日本国籍を離脱して構わないか。

概ね、この点を数回確認されました。

外国人と一緒に居るとありがち(やってしまいがち)なのですが、どうしても言葉が通じる人と話したくなります。楽だから。例えば、日本で私と夫が一緒にいたら、大抵の人は、たとえ内容が夫の要件であっても私に向かって話します。夫のことを私が判断するみたいな格好になりかねないことさえありました。

でも、この担当者は「この件はあくまで夫の案件」ということで、終始夫の目を見て、夫に向かって話してくれました。「本当に後悔はありませんか?」と。

これは私にも夫にも、とても誠実な姿勢に見えて、すごく嬉しかったのです。

葛藤はありましたが、手続きを進めてもらいたいと、夫は返事をしました。

 

申請から1週間後、「国籍離脱の通知」が届きました。

やはり日本の役所はマニュアルになってる仕事は早い。聞かされていた日より数日早く、東京法務局長名での通知書が届きました。法務局を訪問した日付で、夫は日本国籍を離脱しました。

これで堂々とフランスのパスポートで帰国できる!(実際は成田で一悶着あったけどね)

 

国籍(ナショナリテ)って結構重大な事なんです。

フランスで移民として暮らしていると、国籍を聞かれる機会が割とあります。

移民を多く受け入れている国で、ニースという土地柄もあり、外国人がそこらじゅうにいるので「外国人」という疎外感を感じることは今の所ほぼありませんが。

私は転勤族家庭に育ったので、日本にいた時「出身は?」と聞かれて返答に困り、「生まれは関西、子供の時は四国に長くいて、でも成人して一番長く住んだのは東京。うーん」となったものですが、今は「どこから来たの?」という問にシンプルに「日本」と答えます。そして今の「日本」という国のイメージ的な安心感の高さよ。

本当ありがたいなと思う今日この頃。

 

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あわよくば日本とフランスの2つのパスポートを手に入れようと画策した話はまた後日。

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