フランス語ゼロからのニース生活

2016年2月、南フランスのニースへ引っ越した私と夫と猫の日々。

猫(ペット)の海外引っ越しは、「輸出」です。

https://www.instagram.com/p/BA6hyB3GNp-/

日本から海外へ引っ越す場合、人間の移住準備も色々ありますが、猫にだってやることは結構たくさんあります(そしてお金もまあまあかかる)。

 

他国へ動物を持ち込む場合、まず確認するのは移住先の大使館のHP(私の場合はフランス大使館)や、動物検疫所(厚生労働省)のサイトになります。そこに記載されていることがもちろんこれが基本ルールなのです。

ただ「そんなことどこに書いてあるの?」と思うこともあり、よくわからなくて経験者の方(主に犬でしたが)のブログなどを参考にさせていただき、とても助かったので、私の経験もどこかの誰かのお役に多少でもなればと思い、忘れないうちにまとめました。(※これは2016年1月時点。今後のルール改定はご自身でご確認ください)

 

スポンサードリンク

 

 

1.出国予定日から1ヶ月半以上前には準備開始。

人間側には、出国当日までやらなくてはいけないことが大小山ほどあります。忙しいです。仕事を続けながら準備してる方だったら、本当に大変です。

でも人間の支度は完璧だったのに、ペットの手続きが間に合わないとか、最悪の場合、一緒に出国できなかったなどという悲劇が起こらないよう、時間的に余裕を持っておくことをお勧めします。もし不測の事態があっても対応できますから。

 

2.狂犬病予防接種とマイクロチップ装着

 フランスの場合、猫(犬)を持ち込むために、次のことが必要になります。

  • フランス規格に従ったマイクロチップ(ISO11784)を装着していること。
  • 出国時点で、狂犬病予防接種後1ヶ月以上経過していること。
  • 持ち込み可能頭数や年齢にも条件がありますがこれは割愛。

 <マイクロチップ>

マイクロチップは、かかりつけの獣医さんで装着してもらいました。事前に病院にチップ装着ができるかどうか、問い合わせてから行くとスムーズです。

チップ装着(費用うろ覚え。数千円)と個体識別記号(マイクロチップ・動物ID)登録申込1,000円。

ISO11784規格の「DATAMARS」のチップを装着してもらいました。フランスの指定規格に準じているのでOKです。心配なら事前に獣医さんに聞いておくと良いでしょう。

装着後、獣医さんにマイクロチップリーダーで読み込むか確認してもらい、正常に機能していることを確認。(念のため、装着一週間後に再度チェックしてもらいました。ちゃんと動いてました。) 

マイクロチップを装着したら、その識別番号を管理機関に登録してもらいます。これは獣医さんが手続きしてくれます。私の猫の場合は「公益社団法人 日本獣医師会」へ登録されました。

獣医さんから登録申込書の飼育者控用の紙をもらいますので、これは無くさないようにとっておきましょう。検疫所の手続きの際に、証明書として原本確認が必要になるからです。

てっきり、登録団体から発行されるデータ登録完了通知書(手続き後1ヶ月くらいかかる)が必要なのかと思っていたら、検疫で必要なのは「申込書控え」の方でした。

<狂犬病予防接種>

猫も狂犬病になるんですね。日本では猫に予防接種受けさせている人は少ないのではないかしら。私は全然知りませんでした。

フランスの場合は、接種後1ヶ月以上経過後(かつ接種から1年未満)でないと入国できないので、余裕を持って接種に連れていきましょう。

ちなみに厚生労働省のサイトを見ると、2回接種させる(1回目から1ヶ月後に2回目を打つ)記載があったのですが、これは犬の場合の話かもしれません。

フランスの規定にも、2回接種させるとは書いていなかったし、検疫所からもその点は特に指摘を受けなかったので、うちの猫は結局1回しかしていません(そして無事にフランスに入国しています)。2回接種してないとダメだったら、引っ越しが1ヶ月延びるところでした。

 

獣医さんに注射をしてもらったら、次のことを確認しましょう。

  • 狂犬病予防注射済証の受領(これは普通言わなくてももらえる)
  • 接種したワクチンの製品名及び製造会社、ロット番号、使用期限

いずれも検疫手続きで必要になります。獣医さんってだいたい忙しくされているので、お手数をかけないためにもできるだけ用事は一度に済ませましょう(私は3回くらい電話してしまった、ご迷惑だったと思う・・・)。

ちなみに検疫所からもらう「処置内容証明書」にも獣医師の署名押印をもらわなくてはなりません。何度も獣医へ行く二度手間を避けたいなら、先に検疫所に書式を送ってもらえないか問い合わせておくと良いでしょう。

以上で猫の体に施さなくてはいけないことは完了です。

 

3.出国予定日とフライトを確定しよう。

次に準備することは、検疫手続きのための書類を作ることです。

が、この書類に、出国日とフライトも記載します。これが決まらなくても下書きはできるのですが、ともかく管轄の検疫所(成田空港の場合、ターミナルにより管轄が変わる)と審査日が決まりません。

検疫書類の作成では、幾度か職員の方とメールや電話でやりとりをすることが出てきます。管轄でない検疫所の職員も質問には丁寧に答えてくれますが、早くフライトを決めて出国当日審査を受ける検疫所と準備をしたほうが良いでしょう。

というわけで、フライトをまず押さえましょう。

ペットを機内に持ち込みたい場合は、航空会社によってルールが異なります(アラブ系航空会社は犬猫持ち込み不可だけど鷹(!)はOKとか。鷹持ち込みのニーズってあるのだろうか・・・)。猫が乗せられる航空会社を調べましょう。ちなみに私たちは「トルコ航空(ターキッシュエアライン)」でした。

人間のチケットだけ予め押さえ、当日いきなりカウンターにペットを持って行っても乗せてくれない場合もありますので、事前にきちんとペット連れの旨を伝えて予約しましょう(機内に乗せるまでには、肝を冷やす場面もあったので下記にまとめています。)

 

4.「NACCSセンター」に登録・輸出申請しよう

動物検疫で必要になる申請手続きは電子申請をすることができます。

ざっくり言うと、このNACCSのサイトで、フォームに必要事項を記入して最後にポチッとボタンを押すと、管轄検疫所へ申請ができ、その後に検疫所職員の方と事前の書類確認などが始まります。

(1)まずはNACCSの利用申込み

NACCSサイトから、申請システムの利用申込をしてIDを取得しましょう。メールアドレスがあれば取得できます。

(2)「輸出」申請書を作成しよう

IDが取得できたら、ログインして「犬・猫の輸出」を選択し、フォームに必要事項を記入していきましょう。

この時、少なくとも「どの空港」の「どのターミナル」から出発するかが決まっていないと、管轄の検疫所が決まりません(まあ、変わったところで対応はしてくれるのでしょうが、作業が二度手間になる可能性あり)。

なお、フライトナンバーや出国日に変更が出ても、大丈夫です。私の場合は、搭乗2週間前に欠航になり翌々日のフライトに変更されました。これは、後で「変更になったため」とNACCSシステム上で申請内容の訂正をすればOKです。

全部書けたら「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検査申請」フォームが完成。送信ボタンを押すと、「猫を連れて外国に行きたいので問題ないことを検査してください」という申請が検疫所へ送られます。

マニュアルは、基本的にはNACCSのサイトにある通りなのですが、結構読むのめんどくさい・・・。

申請はすべて英数字で記入します。ワクチンの製造会社なども、英名表記をサイトで確認して記載しましょう(間違っていたら後で検疫所の人が訂正してくれます)

(3)電子申請したら管轄検疫所とのやりとりがスタート

検疫所の細やかなフォローはもはや感激の域。輸出検査に必要となるすべての書類は、事前にかなり細かくチェックしてくれますので、安心してください。小さな疑問でもメールで質問したら「えっ、こんな時間に返信きた!」というくらい、遅い時間、週末問わず回答をくれます。

まあ、確かに聞かれたことだけ答えるやり方をして、出国当日に何らか不備が見つかって「ペットだけ出国できない!」なんてことになったりしたら、それこそ(飼い主が半狂乱になって)大騒ぎになるだろうから、事前に火種は消しておく為の対応なのでしょうけどね。

無事に申請データが送られると、検疫所から登録したメールアドレスに「申請を受け付けた」旨の連絡がきます。

  • 相手国の受入条件(動物の入国条件)について、大使館などを通じて確認すること。
  • 検査のための来所日時について事前に検疫所に連絡の上、打合せを行うこと。

フランス大使館に電話しても、きっとサイトに書いて有る以上のことは教えてくれないだろうというわけで、検疫所に電話しました。

  • フランスに動物を連れて行く場合、「健康証明書(EU指定用紙)」が必要
  • 渡航先とは別の国で飛行機の乗継ぎがある場合、日本以外にどこにも立ち寄っていない旨の「誓約書」が必要になるかもしれない
  • 猫に狂犬病予防接種とマイクロチップを装着した旨の「処置内容証明書」(かかりつけの獣医師に署名捺印してもらう)

ということで、その両方の書式をメールで送ってくれました。親切!

健康証明書のEU指定用紙は、大使館のサイトからフランス語版がダウンロードできますが、このEU指定用紙の記載内容も、検疫所が事前チェックしてくれるので、素直に検疫所がくれる英語版を使用するのが望ましいと思われます。書き方マニュアルも添付して送ってくれるので、一つずつチェックして記入していきましょう。

(ちなみに、私たちが乗り継ぎしたイスタンブルでは誓約書は不要でした。でも備えあれば憂いなしです。)

記入内容は「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検査申請」とほぼ同内容です。書けたら、都度、検疫所にメールで送って確認してもらいます。

その際、検査時に原本確認が必要になる下記の書類も、先にメールで送っておきましょう。

  • 獣医師発行の狂犬病予防注射済証
  • マイクロチップのデータ登録申込書(飼育者控え)

結局、書類関係すべてOKです、という回答をもらえるまでに、検疫所とは4〜5回メールをやり取りしました。ちなみに検疫所はシフト勤務のため、対応はすべて異なる職員がしてくれますが、きちんと申し送りされているので全く問題ありませんでした。

 

スポンサードリンク

 

 

5.いざ、検疫検査へ。

出国当日、検疫所へは早めにいきましょう。17時で閉まってしまいますからね。

検疫所から事前に送ってもらった地図を頼りに、成田空港の指定の場所へ行き、検疫所に電話します。すると職員の方が迎えに来てくれました。

猫と共に後についていき、まず最初は書類の確認です。EU指定用紙には飼育者の署名が必要なので、プリントして持って行きました。(申請書は持って行きませんでしたが、大丈夫でした。)

その他事前にメールで写しを送っていた証明書など一式を職員の方に預けます。これを職員の方が一つずつ相違ないか確認し、コピーを取ります。

書類に問題がないことを確認したら、必要部数を用意する間に、検疫所の獣医さんが出てきて、検査室に移動し、猫の健康診断を行います。と言っても、聴診器で心音を聞きお腹のあたりを触診して「うん、健康!」と言われて終了でした。

検査室を出ると先ほどの職員の方が書類(全部で5部ほどある)の用意を終えていたので、そこに獣医さんが必要箇所にサインをしていきます。

これで表紙に「狂犬病予防法に基づく動物の輸出検疫証明書」、次ページにEU指定用紙の「健康証明書」をくっつけて割印した書類が完成。

これを、原本(ORIGINAL)コピー(COPY)各1部を受け取り、猫のキャリーバッグに「検査済」のタグをつけてもらいました。原本は、フランスに到着したら向こうのスタッフに渡すように、コピーは帰国の場合に必要になるので大切に保管するようにと説明を受ける。

これで検疫検査終了!とってもつつがなく「え、終わり?」って感じでした。

 

 6.検疫は無事パスした・・・が油断してはならない。

ここまで超順調に終わったので、あとは飛行機に乗るだけと安心していた私と夫。いざチェックイン!と思って颯爽とトルコ航空のカウンターへ行き、スタッフに検疫証明書を差し出しました。するとスタッフの女性が

「健康診断証明書はないんですか?」

「は?」

確かにこちらが出した書類の表紙は「検疫証明書」というタイトルになっているけれども、二枚目以降についているのがEU指定の「健康証明書」で、獣医師のサインも入っている、だからこれが健康診断証明書だと説明。

でもスタッフの女性は自分の上司へ電話をかけ「健康診断証明書という名前の書類がないがどうしたらいいか」を問い合わせ、私たちには「確認していますのでお待ち下さい」と言いながら、搭乗手続きを進めていく。

この間、私の頭の中ではインターネットで見かけた、「2年前にトルコ航空が規定する書類がないという理由で猫を乗せてもらえなかった」という話が頭をよぎる。

だからトルコ航空にも事前に必要書類を電話で確認して、検疫所からもらう書類でOKって言われたのに、書類に不備があっても検疫所はもう閉まってるし、乗せられなかったらどうしよう、もう家も引き払って帰るとこもないのに・・・!と半泣き状態。

待つこと10分、上司っぽい女性スタッフが超笑顔で近づいてきて、「トルコ航空が認識している健康診断証明書とは違うので、万が一、渡航先で書類の不備により猫が持ち込めない事態が発生しても、当該猫を搭乗させたトルコ航空側に落ち度はない、全てお客様責任である旨の誓約書にサインしろ」という。

書類に誤りはないという自信はあったので、素直にサインして渡す。(コピーももらえなかったし、写メとっとけばよかったなと後でちょっと後悔)

結局、カウンターに行ってから40分くらい経って、チェックイン終了。乗る前にどっと疲れる。ちょっと倒れそうでした。

 

7.無事にフランスへ入国!・・・っていうか。

ともあれ、無事に猫と共に機内に乗り込み、イスタンブルでの7時間の乗り継ぎ待ちを耐え(結局、検疫所が配慮してくれた誓約書は見せることなく)、ようやくニース国際空港へ到着。

手荷物を受け取り、無事に猫と一緒に空港の外へ出られるのか、ドキドキしながら出口へ。ここからはフランス人だからフランス語が話せる夫に手続きを託す。

荷物とタグの番号をチェックするスタッフに、夫が「猫が連れてるんだけど」と話しかける。

「どこから来たの?」

「東京から。書類もあるんだけど」

「じゃ、大丈夫。行っていいよ」

 

えっ!

 

結局、成田ではあわや猫だけ飛行機乗れないかもという恐怖を味わったにもかかわらず、フランスでは猫の有無も、そもそも本当に東京から来たのかどうかの確認もされず(イスタンブルから来た飛行機に乗ってたんですよ)、検疫証明書の存在すら調べられることなく、というかその書類自体を提出することもなく、私たちは空港の外に出て、猫はフランス入国を果たしたのでした。

 

というわけで、成田でもらった輸出検疫証明書の原本は、今も私の手元にあります。

これでいいのかなぁ・・・。

 

<推測と反省>

今回のトルコ航空の対応は、おそらく以前“トルコ航空規定に添わない”という理由でペットを搭乗させなかったことが色々波紋を呼んだので、「一応乗せるのは乗せるけど、何かあっても責任は負わない」ことにマニュアルを変更したのだろうなぁと推測。とにかく予定通り乗せてもらえたし、搭乗中ちょっとくらい猫が鳴いても寛容な対応をしてくれて感謝しています。

何れにしても心臓に悪い出来事だったので、かかりつけ獣医師の「健康診断証明書」(できれば日本語と英語)をもらっておくのに越したことはないと思われます。

こちらのサイトでサンプルも提示してくれています。

 

スポンサードリンク